私たちの生活を支えている「デジタル半導体」をご存じでしょうか。スマートフォンやパソコン、自動車、そして最近ではAIまでも、デジタル半導体が大きく関わっています。本記事では、そんなデジタル半導体の種類や役割についてご紹介していきます。
目次
1.デジタル半導体とは
デジタル半導体の最大の特徴は、離散的な値(「0」と「1」)でデータを処理していることです。これにより、数値計算やデータ処理、そして最終的な結果の出力までをおこないます。また、高度な計算処理をおこなうことで、人間のような複雑な思考や決定をおこなうことも可能です。
2.機能別デジタル半導体の種類と役割
デジタル半導体の役割は、「計算・制御」と「記憶」の2つに大別されます。計算・制御を担う部分がデータの演算やシステムの動作を、記憶を担う部分がデータの一時的な保存や永続的な保存を可能にしています。
これら2つの機能を持つデジタル半導体が電子機器の頭脳となって、現代社会を支えているともいえるでしょう。そこで下記では、このデジタル半導体の持つ2つの役割についてご紹介します。
2-1.「計算・制御」を担当するデジタル半導体
デジタル半導体の役割の1つ「計算・制御」は、データの演算やシステムの動作に関わっています。たとえば、スマートフォンやパソコンのCPU(中央演算処理装置)もその一例です。
種類としては、特定の用途に特化した半導体と、汎用性の高い多目的な半導体の2つに大別されます。
<特定用途>
特定用途向けの半導体の総称が「ASIC(Application Specific Integrated Circuit)」です。たとえば、オーディオ機器のサウンド処理や車載カメラの画像処理など、特定のタスクに最適化されています。
また、ユーザーを特定するかどうかで、下記のように2種類に大別されます。
さらに、ASICは対象ユーザーだけでなく、設計手法や製造方法からも分類されます。種類は、次の3つです。
<汎用品>
1つのチップにCPUやメモリ、入出力端子を集約した半導体として「マイコン(マイクロコントローラー)」があります。マイコンは、様々な用途に対応できるよう設計されている汎用品(多目的品)です。
洗濯機やエアコンなどの家電製品から車載システムまで、幅広く活躍しています。マイコンは、高度な柔軟性と広範な適用性を持つため、デジタル化が進む現代社会において非常に重要な役割を担っているのです。
2-2.「記憶」を担当するデジタル半導体
デジタル半導体のもう1つの大きな役割に、情報の「記憶」が挙げられます。この機能は、コンピューターのようなデジタル機器が情報を保存し、必要なときにすぐに利用できるようにするために不可欠です。
記憶を担当するデジタル半導体は「メモリ」と呼ばれ、「揮発性メモリ(RAM:Random Access Memory)」と「不揮発性メモリ(ROM:Read Only Memory)」の2つに大別されます。
<揮発性メモリ(RAM)>
揮発性メモリとは、電源が切られるとその情報が失われるタイプのメモリです。「DRAM(Dynamic Random Access Memory:動的ランダムアクセスメモリ)」と「SRAM(Static Random Access Memory)」に分かれます。
<不揮発性メモリ(ROM)>
不揮発性メモリは、大量のデータを電源が切られても保持できるのが特徴のメモリです。書き換えができない「マスクROM」と、書き換え可能な「PROM」に大別されます。
下記の表で、マスクROMと複数種に分かれるPROMの特徴と用途をまとめました。
まとめ>
本記事では、「デジタル半導体」について具体的な種類や機能も交えてご紹介しました。「計算・制御」に加え、「記憶」といった役割を果たすことによって、現代社会を支えているデジタル半導体。今後も、その恩恵を受ける機会は増えていくでしょう。
半導体についてもっと知りたい方は、ぜひ当社の他コンテンツもご覧ください。